ディアパソン(diapason)ピアノは、その独特な響きと洗練されたデザインで、多くの音楽愛好家の心を捉えてきました。
創業者・大橋幡岩氏の手によって生まれたこのブランドは、音色の美しさと魅力で知られ、大橋モデルなどの伝統的な技術を受け継ぐ一方で、現代のニーズに合わせた革新も加えています。
ピアノのタッチ感にこだわり、演奏者一人ひとりの感性を大切にするディアパソンピアノは、利用者からの熱い支持を受けています。この記事では、そんなディアパソンピアノの魅力や、ユーザーのリアルな評判を紹介します。
ピアノ選びでお悩みの方や、ディアパソンピアノにご興味をお持ちの方にとって、本記事が一助となれば幸いです。
記事の概要
- ディアパソンピアノの歴史と大橋幡岩氏の技術哲学
- ディアパソンとカワイ製ピアノの音色と特性の違い
- ディアパソンピアノの音色の美しさと魅力
- タッチ感の特徴と利用者の声
Diapason ディアパソンピアノの魅力と評判
- ディアパソンとは?その歴史について
- 大橋モデルの伝統技術
- ディアパソンの特徴
- ディアパソンの魅力
- カワイ製との違いを解説
- タッチの感触
- 弾きにくい?実際のところは?
- ユーザーからのリアルな声
ディアパソンとは?その歴史について
ディアパソンピアノは、創業者大橋幡岩(おおはし はたいわ)氏の野心的なビジョンによって生まれました。
彼は日本でヨーロッパ製ピアノに匹敵する理想のピアノ造りを目指し、その製作に取りかかりました。
ディアパソンの沿革は下記の通りです。
- 1947年 - 大橋幡岩が曳馬木工所を設立し、ディアパソンピアノの試作品を製作。
- 1948年 - 大橋幡岩が浜松楽器製作所の技術部長に就任。ディアパソン第1号が完成[2]。
- 1949年 - 浜松楽器製作所と曳馬木工所が合併し、浜松楽器工業株式会社が設立。
- 1958年 - 浜松楽器工業 (株) が河合楽器製作所の子会社となる。
- 1986年 - 株式会社ディアパソン設立。
- 2017年 - 河合楽器製作所と合併し解散。
Wikipediaより引用
1986年に設立された株式会社ディアパソンは、2017年に河合楽器製作所と合併し解散しました。2024年3月現在、ディアパソンピアノは、河合楽器製作所の一ブランドとして引き続き販売されています。
大橋モデルの伝統技術
大橋モデルは、ディアパソンピアノの中でも特に大橋幡岩氏の技術や哲学が色濃く反映されたモデルです。大橋幡岩氏は、ピアノの骨格にあたる支柱やフレームの設計にこだわり、16~20トンにもなる弦の総張力を支えることで、音の狂いを防ぎながら音楽性を保障しました。また、響板にはカナダ北部やアラスカの厳しい自然環境で育った針葉樹スプルースを使用し、美しい音色を生み出すための努力を惜しみませんでした。
このような伝統技術と独自の設計思想は、現代のディアパソンピアノにも受け継がれており、その唯一無二の響きを生み出しています。
ディアパソンの特徴
ディアパソンピアノの音色の美しさは、「純粋な中立音」という概念に基づいています。この中立音は、音楽をありのままに表現するための透明で澄んだ響きを意味し、演奏者の意図を忠実に反映します。
ディアパソンのピアノは、特に中音域と高音域でその美しさが際立ち、透明感あふれる澄んだ音色が特徴です。また、ディアパソンピアノは、弾くほどに音色が育ち、時間と共に演奏者とピアノが一体となっていくような魅力があります。
この独特の音色の美しさは、クラシック音楽をはじめとする幅広いジャンルでその表現力を発揮し、多くのピアニストから愛され続けています。
ディアパソンの魅力
先述しましたように、その美しい音色が、ディアパソンピアノの大きな魅力のひとつです。純粋で透明感のある音は、多くのピアニストから愛されています。この音色は、ディアパソン独自の技術や設計によるもので、ピアノ本来の美しい響きを追求しています。
ディアパソンピアノは、演奏する曲のジャンルを問わず、表現力豊かな演奏を可能にします。また、その見た目の美しさも、心を惹きつけるものがあります。その外観は、上質な木材の選択と精緻な仕上げにより、光をやわらかく反射し、どの角度から見ても美しいラインを描きます。
繊細な木目と、手作業による磨きが生み出す光沢は、空間に温かみと高級感を加え、インテリアの一部としてもその存在感を放ちます。そして、ディアパソンのロゴが施された鍵盤蓋や独特の脚部デザインは、芸術品のような洗練された美しさを演出し、所有する喜びを一層深めてくれます。
この見た目の美しさは、ディアパソンピアノを特別なものにし、演奏以外の瞬間にも鑑賞の楽しみを提供します。このように、音色と外観の美しさがディアパソンの大きな魅力となっています。
カワイ製との違いを解説
ディアパソンピアノとカワイ製ピアノとの違いは、歴史的背景と音色の特性にあります。ディアパソンは、日本でヨーロッパのピアノに匹敵する理想のピアノを目指して創業されました。このため、ディアパソンのピアノは、ヨーロッパ的な音色に近い、透明感と純粋な響きを大切にしています。
一方、カワイ製ピアノは、豊かな響きと力強い音量を追求し、幅広いジャンルの音楽に対応する柔軟性を持っています。カワイのピアノも非常に高品質であり、教育現場やプロの演奏家にも支持されていますが、ディアパソンのピアノは、特にその細やかな音色のニュアンスを重視する方に選ばれることが多いです。
タッチの感触
ディアパソンピアノは、演奏者の細やかな指の動きや微妙なニュアンスを忠実に表現できるように設計されています。特に、重めのタッチ設計によって、力強い演奏や深みのある表現が可能になります。この独特な感触は、初めての方には新鮮に映るかもしれませんが、演奏に慣れてくると音のコントロールを細かく行う上での利点を実感されることでしょう。
また、練習を重ねることで指の力がつくため、より豊かな音楽表現へと繋がります。タッチの感触は、弾き手に心地よい重さとなっており、長時間の演奏でも疲れにくいことが特徴です。そのため、初心者からプロの演奏家まで幅広い層のピアニストに支持されています。
弾きやすさは個人差がありますが、ディアパソンピアノは、表現力豊かな演奏を目指すピアノ愛好家にとって挑戦する価値のある楽器です。タッチの良さは、演奏技術の向上にも繋がり、演奏の楽しさを一層深めてくれます。
弾きにくい?実際のところは?
「ディアパソンピアノは弾きにくい」という意見も一部にはありますが、これは演奏者の好みや演奏スタイル、そして使用されるピアノのモデルに大きく依存します。先述したように、ディアパソンピアノはタッチが重めに設計されていることがあり、これが弾きにくさを感じる原因の一つとなることがあります。
しかし、この重めのタッチは、力強い演奏や表現の幅を広げることに貢献するため、多くのプロのピアニストからは好まれています。実際のところ、弾きにくさは練習と慣れによって克服可能であり、ディアパソンピアノ独自の豊かな音色や表現力を活かした演奏を楽しむことができます。
ユーザーからのリアルな声
ディアパソンピアノに対するユーザーからの声は、その豊かな音色や心地よいタッチに高い評価を寄せています。
多くの演奏者が「ピアノの音色に新たな魅力を発見した」と感じたり、「タッチの重さが表現の幅を広げる」といったポジティブなフィードバックを共有しています。それぞれの演奏体験を通じて、ディアパソンピアノの独特な特性が演奏者の心を掴んでいることが明らかです。
しかし、すべての声が一様に肯定的なわけではありません。中には「価格が初心者にとっては少しハードルが高いかもしれない」と感じるユーザーもいます。
KAWAI公式サイトによると、新品のグランドピアノの価格帯は200万~300万代となっています(2024年3月現在)。このように、ディアパソンピアノはその音質や演奏感で多くの支持を集めている一方で、予算との兼ね合いも考慮する必要があるという実情があります。
購入を検討する際は、この豊かな音色と演奏体験をどれだけ優先するか、または予算内での最良の選択をどうするか、慎重な判断が求められます。
Diapason ディアパソンピアノ選びのポイント
- 価格帯の把握と購入
- グランドピアノとアップライトピアノの選択
- 試弾して選ぶべき理由
- 調律は難しい?
- 買取相場について
- まとめ:diapasonピアノは独自の美しさをもち、評判が高い
価格帯の把握と購入
ディアパソンピアノの価格帯は幅広く、初心者からプロフェッショナルまで、さまざまなニーズに応える製品が用意されています。
購入前には、自分の予算とニーズに合ったピアノの価格帯を把握することが重要です。また、賢い購入法として、ショールームでの試弾の他、中古ピアノを検討するのも一つの方法です。
中古ピアノは新品に比べて価格が抑えられていることが多く、条件が良いものを選べば、コストパフォーマンスの高い購入が可能です。
ただし、中古ピアノを選ぶ際には、信頼できる販売店や専門家に相談することをお勧めします。
価格だけでなく、状態や保証の有無など、総合的に判断することが大切です。
グランドピアノとアップライトピアノの選択
ディアパソンピアノを選ぶ際、グランドピアノとアップライトのどちらを選ぶかは、使用する環境や目的によって異なります。
グランドピアノは、その圧倒的な存在感と共に、豊かな音色や幅広い音域を提供します。
このタイプは、演奏家がコンサートや専門的な演奏に求める深みと表現力を実現できるため、より本格的な演奏を目指す方に適しています。
一方で、アップライトピアノは場所を選ばず、リビングや狭いスペースにも置けるコンパクトさが魅力です。
日々の練習や趣味の演奏に最適ですが、製造技術の進化により、グランドピアノと肩を並べる豊かな音色と演奏感を目指しています。
また、価格面でもアップライトピアノはグランドピアノに比べて手頃です。KAWAI公式サイトによると、新品のアップライトピアノの価格は、130万円~180万円程度になっています(2024年3月現在)。
初心者や趣味の範囲で演奏を楽しむ方にとっては魅力的な選択肢となりそうですね。
ディアパソンピアノを選ぶ際は、演奏する環境やどのような演奏を目指すかを考え、自分にとって最適なタイプを選ぶことが重要です。
自宅での日常的な演奏や家族との共有を主な目的とする場合はアップライトピアノ、より専門的な演奏や豊かな音色を求める場合はグランドピアノが適しているといえるでしょう。
試弾して選ぶべき理由
ピアノ選びで大切なのは、実際に弾いてみることです。それぞれのピアノには、異なる感触や音があるため、自分に合うか直接確かめるのが一番です。
ディアパソンピアノは、独特の音響特性とタッチ感を持っているため、実際に自分の手で弾いてみることで、その魅力を十分に理解することができます。また、試弾をすることで、自分の演奏スタイルや好みに合ったモデルを見つけることができ、後悔のない選択が可能になります。
ピアノ選びは、単にスペックを比較するだけではなく、直感的に感じる響きや弾き心地も大切にしたいものです。
調律は難しい?
ディアパソンピアノの調律に関しては、専門的なスキルが必要となることが多いです。その理由として、ディアパソンピアノが持つ独自の音響特性や構造が挙げられます。
しかし、経験豊富な調律師であれば、ディアパソンピアノ特有の美しい音色を引き出すことができます。初心者が自分で調律を試みるのは困難ですが、定期的にプロの調律師に依頼することで、ピアノは常に最高の状態を保つことができます。調律の難しさはあるものの、それを上回る音色の魅力がディアパソンピアノにはあります。
買取相場について
すでにディアパソンピアノを所有していて、手放したいと考えていらっしゃる方もいるかもしれません。ディアパソンピアノの買取相場は、ピアノの状態、年式、モデルによって大きく異なります。
一般的に、良好な状態でメンテナンスが行き届いているピアノほど高価買取が期待できます。また、特定のモデルや希少性の高いピアノは、市場価値が高くなる傾向にあります。買取相場を事前に把握することで、適切な価格での売却が可能になります。
ただし、市場の需要と供給によって価格は常に変動するため、正確な買取価格を知るには、専門の買取業者に査定を依頼することが最も確実です。査定時には、ピアノの状態を詳細に伝えることで、より正確な買取価格を提示してもらえる可能性が高まります。
まとめ:diapasonピアノは独自の美しさをもち、評判が高い
この記事のポイントをまとめると
ディアパソンは大橋幡岩氏によって創業されたピアノブランド
理想的なピアノを日本で造りたいという思いが創業のきっかけ
純粋な中立音を目指し、ピアニストの想いを響かせる
音の透明感や美しさに重点を置いた設計
大橋モデルは幡岩氏の技術や哲学が色濃く反映されている
骨格の設計にこだわり、美しい音色を生み出すための努力を惜しまない
ディアパソンとカワイ製ピアノは歴史的背景と音色の特性に違いがある
ディアパソンはヨーロッパ的な音色に近く、透明感と純粋な響きが特徴
ユーザーからは豊かな音色や心地よいタッチに高い評価
美しい音色だけでなく、デザインの美しさも魅力
グランドピアノは存在感があり、本格的な演奏に適している
アップライトピアノは場所を選ばず、日々の練習や趣味の演奏に最適
アップライトピアノも、グランドピアノに肩を並べる豊かな音色をもつ
タッチの好みは個人差がある。試弾して自分に合うモデルを見つけよう
買取相場はピアノの状態、年式、モデルによって大きく異なる
いかがでしたか?ディアパソンピアノが持つ独自の魅力とその美しさを感じていただけたでしょうか。
皆さんが自分にぴったりのピアノを見つけることができることを願っています。
価格や生産情報は変わることがありますので、KAWAIの公式サイトなどで最新情報をチェックしてみてくださいね。