鍵盤ハーモニカは、小学校の音楽の授業でよく使われる楽器ですが、何年生まで必要なのでしょうか?
結論、小学校1・2年生ではほぼ必須とされていますが、3年生以降の使用頻度は学校によって異なります。
また、兄弟で使い回せるのか、お下がりを利用する際の注意点、学校指定の有無や購入の選択肢など、事前に確認しておきたいポイントもあります。
本記事では、小学校での使用傾向や購入時の注意点を詳しく解説します。
学校の方針を確認しながら、最適な選択をするための参考にしてくださいね。
鍵盤ハーモニカは何年生まで使うの?小学校の使用傾向とお下がりの注意点
この項の概要
- 鍵盤ハーモニカは何年生まで?小学校での使用傾向
- 3年生以降も使う?
- 学校で買わない選択肢はある?
- 兄弟で使い回しできる?お下がりの注意点
何年生まで?小学校での使用傾向
鍵盤ハーモニカは、小学校低学年の音楽の授業でよく使われる楽器です。
文部科学省の「学習指導要領解説 音楽編」によると、1・2年生の音楽の授業で取り入れられる楽器の一つとして、鍵盤ハーモニカ(オルガン)があげられています(文部科学省, 2019)。
この時期は、音楽に親しみながら演奏の基礎を身につけることを目的としており、「吹く」と「弾く」の両方ができる鍵盤ハーモニカは、音楽の導入としてぴったりです。
1年生では、鍵盤の位置や指の動かし方を覚えることからスタートし、2年生になると両手で演奏する練習をしたり、クラスで合奏をする機会も増えていきます。
ところが、3年生になるとリコーダーの学習が始まるため、多くの学校では鍵盤ハーモニカの出番が減っていきます。
学習指導要領では、3・4年生になるとリコーダーを使うことが多くなるとされています(文部科学省, 2019)。
リコーダーは、息の強さで音色を変えたり、音の高さを調整したりすることができるため、音楽の学習が一歩進んだ形になります。
そのため、3年生以降は、鍵盤ハーモニカの授業での使用頻度が減る学校がほとんどです。
出典:
文部科学省 (2019). 学習指導要領解説 音楽編. https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_007.pdf
3年生以降も使う?
とはいえ、鍵盤ハーモニカの使用が完全になくなるわけではありません。
学校によっては、3年生以上でも使う機会があるため、すぐに処分せずに様子を見たほうがよいでしょう。
たとえば、合奏の授業や音楽発表会などで鍵盤ハーモニカを使うこともあります。
クラブ活動や特別な授業の一環として使用されることもあり、学校ごとのカリキュラムによって使用頻度は異なります。
さらに、5・6年生になると、電子楽器や和楽器など、新しい楽器を取り入れた授業が増えていきますが、特定の曲では鍵盤ハーモニカが使われることもあります。
そのため、学校によっては6年生まで必要になるケースもあるようです。
このように、鍵盤ハーモニカは1・2年生では必須の楽器ですが、3年生以降の使用は学校の方針によって変わります。

出典:
文部科学省 (2019). 学習指導要領解説 音楽編. https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_007.pdf
学校で買わない選択肢はある?
鍵盤ハーモニカは、小学校1・2年生で必要になることが多いですが、必ずしも学校で購入しなければならないわけではありません。
多くの学校では、入学後に学校指定の楽器を購入する案内があります。
これは、クラス全員が同じ楽器を使うことで、音の違いや使い勝手の差が出ないようにするためです。
しかし、学校によっては「持っているものを使ってOK」「指定の条件を満たせば市販のものを購入してもよい」といった対応をしていることもあります。
特に、すでに兄弟が使っていたものがある場合や、幼稚園・保育園で購入したものが手元にある場合は、それを使えないか先生に相談してみるのも一つの方法です。
ただし、学校が推奨しているモデルと違う場合、音の違いや授業での使い勝手が変わることがあるので、事前に学校の方針を確認しておくことが大切です。
また、学校で購入すると団体割引が適用される場合があり、市販で買うよりも安くなる可能性もあります。
逆に、特定のブランドやケースのデザインにこだわりがある場合は、ネットや楽器店で自分で選ぶのもよいでしょう。
「学校指定品じゃないとダメなの?」と思う方もいるかもしれませんが、最近は学校側も柔軟に対応してくれるケースも考えられますので、購入前に問い合わせてみるのがおすすめです。
兄弟で使い回しできる?お下がりの注意点
鍵盤ハーモニカは、比較的丈夫な楽器なので、兄弟で使い回すことも可能です。ただし、いくつか注意点があります。
ホースや吹き口は交換がベター
鍵盤ハーモニカは息を吹き込んで音を出す楽器のため、衛生面を考えると、上の子が使っていたものをそのまま下の子に譲るのは避けたほうがよいでしょう。
吹き口やホースは、ネットショップや楽器店で単品購入が可能なので、新しいものに交換して清潔に使うのがおすすめです。
注意ポイント
鍵盤ハーモニカの型が古い場合、当時の吹き口が廃盤になっていることもあります。 その場合は、後継モデルの対応品があるかを事前に確認し、適合するものを選ぶようにしましょう。
鍵盤やリードの状態をチェック
長年使っていると、リードの劣化や鍵盤の戻りが悪くなることがあります。 鍵盤が押したまま戻らない、音が出にくいといった症状がある場合は、修理や調整が必要になることも。
学校の授業で使う前に、一度試しに吹いてみて、音が正常に出るか、鍵盤の動きに問題がないかを確認しておきましょう。
また、リードが折れてしまった場合などの修理には、およそ2,000円~3,000円の費用がかかることが一般的です。
修理費用と新品の価格(5,000円前後)を比較し、場合によっては新しく購入したほうがコスト面で合理的なこともあるため、状態を見ながら判断するとよいですね。
学校の指定に合っているか確認
学校によっては、使用する鍵盤ハーモニカのブランドや仕様が決まっている場合があります。
兄弟が使っていたものが古いモデルだったり、学校指定の楽器と異なったりすると、先生から「できれば新しいものを用意してください」と言われることもあります。
特に、音の高さ(音域)が違うと授業で困ることがあるので、使い回す前に学校に相談しておくとスムーズです。
鍵盤ハーモニカの選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
参考記事:鍵盤ハーモニカはヤマハとスズキどっちがいいの?後悔しない選び方!
鍵盤ハーモニカは何年生まで使う?中学生以降の使用や購入のポイント
- 中学生でも使う?授業やイベントでの使用例
- 購入前に確認すべきポイントは?学校の指定やメーカーの違い
- ヤマハとスズキ:小学校でよく使われるモデルは?
- 余談:ハーモニカが小学校でなくなった理由とは?教育の変化
中学生でも使う?授業やイベントでの使用例
鍵盤ハーモニカは主に小学校で使われますが、中学生になっても使う場面がゼロとは限りません。
通常の音楽の授業ではほとんど使用しません。
中学校ではリコーダーや和楽器、ギターなどを扱うことが多く、鍵盤ハーモニカは授業に登場することは少ないです。
ただし、学校の行事や部活動で使われる可能性はあります。
たとえば、合唱のパート練習でメロディを確認する際や、合唱部・吹奏楽部などの音楽系の部活動で活用されるケースがあります。
また、一部の学校では音楽クラブの活動で鍵盤ハーモニカを使用することも。
とはいえ、日常的に使うことはほとんどないため、小学校卒業後に処分を考える場合は、行事や部活動の予定を確認してから判断するとよいでしょう。
鍵盤ハーモニカを購入する際は、学校の指定があるかどうか、メーカーごとの特徴、鍵盤の数やケースの種類などを事前に確認することが大切です。
学校の指定を確認
まず、学校指定のモデルがあるかをチェックしましょう。 一部の学校では、ヤマハやスズキなど特定のメーカーを指定している場合があります。指定がある場合は、それに従うのが無難ですが、特に指定がない場合は市販のものを自由に選ぶことができます。
メーカーごとの特徴
鍵盤ハーモニカはメーカーによって音色や吹き心地に違いがあります。代表的なメーカーの特徴を見てみましょう。
- ヤマハ(ピアニカ):ハッキリとした明るい音色が特徴
- スズキ(メロディオン):温かみのある柔らかい音色が特徴
- ゼンオン(メロディピアノ):比較的リーズナブルで、基本的な機能を備えている
ヤマハとスズキの違いについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
鍵盤の数とケースの種類
次に、鍵盤の数も重要なポイントです。 一般的な小学校用は32鍵ですが、保育園・幼稚園用の24鍵や、演奏向けの37鍵のものもあります。学校で推奨されている鍵盤数を確認し、適したものを選ぶようにしましょう。
また、ケースの種類にも違いがあります。 ハードケースは耐久性が高く、学校での保管に適していますが、少し重め。一方、ソフトケースは軽くて持ち運びやすいものの、衝撃には弱いので、学校の保管環境や通学スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
価格と耐久性
最後に、価格と耐久性も考慮して選びましょう。 安価なモデルもありますが、鍵盤ハーモニカは数年間使う学用品なので、ある程度しっかりしたものを選んだほうが長持ちします。
また、吹き口やホースの交換ができるかどうかも、購入前にチェックしておくと安心です。 使い続けるうちに消耗しやすい部分なので、交換部品が手に入りやすいモデルを選ぶと、長く快適に使うことができます。
このように、学校の指定、メーカーごとの違い、鍵盤の数、ケースの種類などをしっかり確認し、お子さんに合った鍵盤ハーモニカを選びましょう。
ヤマハとスズキ:小学校でよく使われるモデルは?
鍵盤ハーモニカを選ぶ際、ヤマハとスズキは特に人気のあるメーカーで、多くの小学校で採用されています。
それぞれに特徴があるため、違いを知っておくと、お子さんに合ったものを選びやすくなります。
ヤマハ(ピアニカ)の特徴
- 明るくクリアな音色で、音の立ち上がりが良い
- 軽い吹き心地で、小さな子どもでも音が出しやすい
- 多くの学校で採用されており、安心感がある
- 標準モデルの 「P-32E」 は、使いやすさと耐久性のバランスが良い
- Amazonや楽天などのオンラインショップでも購入可能で、価格は5,000円前後
- メーカー保証は1年 だが、販売店によっては 独自の6年延長保証がつくことも
以下のAmazonストアでは、メーカー保証(1年)+販売店の延長保証(6年)で、合計7年の保証がついています。
スズキ(メロディオン)の特徴
- 温かみのある柔らかい音色で、深みのある響きが特徴
- 息の量に応じて音色が変化しやすく、表現の幅が広い
- 標準モデルの 「MXA-32P」 は、コスパが良く、初心者にも扱いやすい
- Amazonや楽天などのオンラインショップでも購入可能で、価格は5,000円前後
- 正規特約店での購入の場合、保証は6年
注意ポイント
ヤマハ・スズキどちらの場合も、オンラインショップで購入する際は、保証がつくかどうかを必ず確認しましょう。
なかには、「保証書がついていなかった」というレビューがあるショップもありますので、購入前に保証の有無や販売店の信頼性をチェックすることをおすすめします。
以上のように、ヤマハとスズキの鍵盤ハーモニカはどちらも品質がよく、価格帯もほぼ同じです。
学校の指定が特にない場合は、音色の好みや付属のケース、吹き口の形など、細かな仕様の違いで選んでもよいでしょう。
ヤマハとスズキで迷っている方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてくださいね。
参考記事:鍵盤ハーモニカはヤマハとスズキどっちがいいの?後悔しない選び方!
余談:ハーモニカが小学校でなくなった理由とは?教育の変化
実は昔、小学校の音楽の授業ではシングルハーモニカが広く使われていました。
しかし、現在ではほとんどの学校で鍵盤ハーモニカが主流になっています。
なぜハーモニカは使用されなくなったの?
その理由は以下の点が考えられます。
- 演奏が難しい:吸う音と吹く音を正しく覚える必要があり、初心者には習得が難しい
- 指導がしにくい:鍵盤がないため、先生がどの音を吹いているのか確認しにくい
- 音域が狭い:鍵盤ハーモニカに比べて音域が限られ、演奏できる曲の幅が狭い
この点、鍵盤ハーモニカは音の位置が目で見てわかるため、音楽の基礎を学ぶのに適していることから、学校教育の中で取り入れられるようになったようです。
また、吹き口を交換すれば衛生的に使える点も、学校での採用が進んだ理由の一つです。
現在では、ハーモニカは特別活動や音楽クラブなどで使われることがある程度で、授業ではほとんど見かけなくなっています。
教育の変化とともに、学習しやすい楽器が選ばれるようになったのですね。

まとめ:鍵盤ハーモニカは何年生まで使う?小学2年までの使用頻度が高い!
いかがでしたか?鍵盤ハーモニカは小学校低学年で必須の楽器ですが、学校によって使用期間や頻度が異なります。
各学校の方針を確認しながら、購入するかお下がりを使うかを検討してみてくださいね。
最後に、本記事のポイントをまとめます。
チェックリスト
- 小学校1・2年生の音楽授業で必須の楽器として使用される
- 3年生になるとリコーダー学習が始まり、使用頻度が減る
- 3年生以降も合奏や発表会で使われることがある
- 5・6年生でも特定の曲やクラブ活動で使用される場合がある
- 学校ごとに使用期間が異なるため、事前に確認が必要
- 鍵盤ハーモニカは学校指定のものを購入することが多い
- 市販品を購入できる学校もあり、事前の確認が重要
- 兄弟のお下がりを使う場合、ホースや吹き口の交換が必要
- 古いモデルは吹き口が廃盤になっている場合がある
- 鍵盤やリードの状態を確認し、動作不良がないかチェックする
- 修理費用と新品購入費用を比較し、コストを考慮する
- 学校によって指定メーカー(ヤマハ・スズキなど)が決まっていることがある
- ヤマハは明るくクリアな音、スズキは温かみのある音が特徴
- オンライン購入時は保証の有無を必ず確認する
- かつて小学校ではハーモニカが使用されていたが、指導のしやすさなどから鍵盤ハーモニカに移行した