ピアノのオンラインレッスンは難しいのでしょうか?教室に通わずに自宅で学べる便利さがある一方で、音の聞こえ方や画面越しの指導に不安を感じる方も少なくありません。
大人は忙しさとの両立、子供は集中力の維持が課題になりやすく、電子ピアノの使用ではタッチや音質に戸惑うこともあります。
また、コンクールを目指す方にとっては、細かな表現まで伝わるのかが気になるところです。モチベーションが下がって「辞めたい」と感じてしまうこともあるかもしれません。
そんな中、アプリとの併用や録画の活用など、オンラインならではの工夫で効果的に学ぶ方法も増えています。この記事では、よくあるデメリットや課題をふまえ、オンラインでも続けやすくするためのヒントをお伝えします。
こんな方におすすめ
- ピアノをオンラインで始めるか迷っている初心者
- 子供や大人のレッスン環境に悩んでいる保護者や本人
- 電子ピアノでの受講に不安がある
- 途中で辞めそうになっているが続けたい気持ちがある
ピアノのオンラインレッスンは難しいのか?
- オンラインレッスンの一般的な流れとは
- 音質や通信などのデメリットに注意
- 大人が感じやすい難しさと対策
- 子供の場合に気をつけたいポイント
- 電子ピアノ使用時の注意点と工夫
- オンラインでも音感や耳は育つのか?
- コンクール参加を目指す場合の課題
- 初心者にとっての難しさと克服法
- 独学との違いとオンラインの利点
オンラインレッスンの一般的な流れとは
オンラインピアノレッスンの進め方は、おおまかに決まった流れがあります。最初に講師からZoomなどのミーティングURLが送られてくるので、レッスン時間までに機材のセッティングや楽譜の準備を済ませておきましょう。
レッスンが始まると、まずは音声や映像がきちんとつながっているかを確認します。そのあと、今日のレッスン内容の確認をしてから演奏に入るのが一般的です。講師によっては、画面共有で楽譜を見せながら説明したり、リズムや指使いを手元のカメラで示したりする場合もあります。
中級者以上になると、あらかじめ録画した演奏を講師に送っておき、その映像を見ながらフィードバックを受ける形式をとる場合もあるようです。こういった方法は、細かいアドバイスがしやすく、オンラインならではの活用法と言えるでしょう。
最後には、次回の練習課題やレッスン内容の確認、質問タイムなどがあり、レッスンが終了します。このように、対面とは違っても効率よく学べる仕組みが整っているので、初めてでも安心して参加できます。

私も普段は対面でピアノを習っていますが、コロナの時期には先生の提案で数回オンラインレッスンを受けたことがあります。そのときはiPhoneのビデオ通話でレッスンを行いました。
対面では先生がとても熱心な方なので、前の生徒のレッスンが長引いて1時間以上待つこともしばしば。でも、オンラインのときは決められた時間にきっちり始まり、予定どおり終わるので、とてもスムーズでした。
家で受けられて、移動時間もなく、時間の管理がしやすいのはオンラインならではのメリットだと感じました。

音質や通信などのデメリットに注意
オンラインピアノレッスンでは便利な点が多い一方で、気をつけておきたいデメリットもあります。特に問題となりやすいのが「音の質」と「通信環境」です。
ピアノの繊細な響きやタッチのニュアンスは、どうしてもマイクやスピーカーを通すことで変化してしまいます。講師が聞き取りづらいと感じる場面もあるため、表現の細かい指導には限界があるかもしれません。ペダルの使い方やタッチの強弱といった部分は、対面に比べて伝えにくい傾向があります。
また、インターネット回線の安定性も重要です。回線が不安定だと、音声や映像が途切れたり、遅延が発生したりして、スムーズなやり取りが難しくなります。できればWi-Fiよりも有線接続を選ぶと安心です。
こういった問題に備えて、レッスンの録画機能を使って後から復習する、講師と事前に接続テストをしておくなどの対策をとるのも良いでしょう。完璧を求めすぎず、「どこに工夫を入れると快適になるか」を意識することが大切です。

ちなみに、私がコンクール前のレッスンで利用している「ベースオントップ」というピアノ練習室では、Wi-Fiやカメラスタンドが無料で使えて、オンラインレッスンに最適な環境が整っています。
自宅でのレッスンが難しいと感じる場合は、お近くにWi-Fi完備のピアノ練習室があるか、チェックしてみるのもひとつの手です。
大人が感じやすい難しさと対策
大人がオンラインでピアノを学ぶときに直面しやすいのは、テクノロジーへの苦手意識や、日常との両立の難しさです。特に仕事や家事で忙しい方にとっては、決まった時間に集中してレッスンを受けるのが負担になることもあります。
また、過去にピアノ経験がある方は、昔の癖が残っていたり、思うように指が動かないことに戸惑ったりすることがあります。さらに、年齢を重ねると上達に時間がかかると感じやすく、モチベーションが下がることも少なくありません。
このような課題を乗り越えるためには、無理のないペースで進めることが大切です。たとえば、レッスンは30分からスタートして、生活の中に少しずつ組み込むようにすると続けやすくなります。また、講師には不安や希望を率直に伝え、今の自分に合った内容で進めてもらうことも効果的です。
録画機能を活用して、レッスン内容を何度も見返すこともおすすめです。毎回のレッスンを“やりっぱなし”にしないことで、理解度も定着しやすくなります。オンラインだからこそ活かせる工夫を取り入れて、自分らしいペースで学んでいきましょう。
子供の場合に気をつけたいポイント
子供がオンラインでピアノを習う場合、集中力の維持が課題になります。特に未就学児や小学校低学年では、画面越しの指導だけでレッスンに集中するのは簡単ではありません。慣れない環境や、対面のような臨場感のなさに、飽きてしまう子もいます。
ここで重要なのが、保護者のサポートです。機材の準備だけでなく、レッスン中にそばで見守ったり、声かけをしたりすることで、子供の不安や気の緩みを防ぐことができます。特に最初の数回は一緒にレッスンを受けるつもりで臨むと安心です。
また、講師側の工夫も鍵になります。子供が知っている曲を使ったり、ゲーム的な要素を取り入れたりすることで、より楽しく学べるレッスンになります。講師選びの段階で「子供向けの指導に慣れているか」を確認しておくと良いでしょう。
レッスン時間も、長くしすぎないのがポイントです。15分〜30分程度の短時間集中型が合っていることも多いです。子供の年齢や性格に合わせた内容とサポート体制を整えることで、オンラインでもしっかりとピアノに取り組むことができるようになります。
電子ピアノ使用時の注意点と工夫
電子ピアノを使ってオンラインレッスンを受けるのは、時間帯や場所を選ばず練習できる点でとても便利です。ただ、その一方で気をつけたいポイントもいくつかあります。
まず、鍵盤のタッチです。エントリーモデルの電子ピアノはアコースティックピアノに比べて鍵盤が軽く、タッチにばらつきがあることがあります。そのため、力加減や音色のコントロールを習得するのがやや難しくなる場合があります。選ぶときは、できるだけ鍵盤に重みのあるモデルを選ぶと良いでしょう。
また、音の伝わり方にも違いがあります。電子ピアノの音はサンプリング音源で作られていて、生ピアノのような複雑な響きは再現しきれません。オンラインレッスンではさらにマイクや通信を通すため、講師に伝わる音も加工されたものになります。これを補うために、オーディオインターフェースを使ってピアノの音を直接パソコンに送る方法も検討してみてください。
もうひとつ忘れてはいけないのがペダルの挙動です。電子ピアノのペダルはアコースティックピアノに比べて感度や操作感が異なることがあり、講師に伝わりにくいこともあります。あらかじめ「今はペダルを使っています」と伝えるなど、言葉で補足するとレッスンがスムーズに進みます。
こうした工夫を取り入れることで、電子ピアノでもオンラインレッスンの効果をより高めることができます。
オンラインでも音感や耳は育つのか?
オンラインレッスンでも音感や耳を育てることは十分に可能です。ただし、成長のペースや方法には少し工夫が求められます。
音感を育てるには「正確な音をたくさん聴くこと」が基本です。オンラインではスピーカーやマイクを通すことで音の響きが多少変化しますが、正しい音程を繰り返し聴く習慣を持つことで、耳は少しずつ鍛えられていきます。
たとえば、講師による聴音(音当て)トレーニングや、アプリを使った音感クイズを併用するのも効果的です。また、相対音感(ドレミを基準で捉える力)は日々の練習を通して自然と身につきやすいため、無理なく取り組めます。
一方、絶対音感の習得は幼少期に限られることが多く、オンラインか対面かに関係なく、環境や練習量に左右されやすい面があります。ただ、音楽の実践では、演奏やアンサンブルに活かしやすい相対音感の方が重要とされる場面も少なくありません。
さらに、録音機能を活用して自分の演奏を客観的に聴くことも、耳を鍛える上で有効です。私もときどきスマホで演奏を録音して聴いていますが、実際に聴き返すと「思っていた音」と違って感じることがあり、気づきにつながっています。

このように、オンラインでも耳を育てることは十分可能です。日常の中に「音を聴く意識」を取り入れて、楽しみながら続けていきましょう。
コンクール参加を目指す場合の課題
オンラインでコンクールに挑戦する場合、いくつかの独特な課題があります。特に気をつけたいのが、音の細かいニュアンスや表現が講師に伝わりづらいことです。これは通常のオンラインレッスンでも課題となりますが、コンクールのように高い完成度を求められる場面では、より繊細な指導が必要になります。
音の響きやタッチの微妙な違いが伝わりにくいと、表現力を磨く段階で壁にぶつかりやすくなります。そこで有効なのが、録画を活用する方法です。演奏動画を撮影して講師に送れば、より客観的なフィードバックが受けられます。録画環境を整えることで、指使いや姿勢、表情までチェックしてもらいやすくなります。
また、録画した演奏が審査対象となるオンラインコンクールも増えています。その場合は、手元と顔がしっかり映るカメラの角度、十分な明るさ、そしてクリアな音質が大切です。スマートフォンに外付けマイクをつけたり、ビデオレコーダーを使うと音が格段に良くなることもあります。
さらに、可能であれば本番前に数回だけでも対面レッスンを取り入れると、音の最終調整がしやすくなります。オンラインだけでは補いきれない部分を、実際の音で確認できる機会として活用すると安心です。
コンクールを目指すなら、オンラインとオフラインをうまく組み合わせることで、より完成度の高い演奏に仕上げていけるでしょう。
初心者にとっての難しさと克服法
ピアノを初めて学ぶ方にとって、オンラインレッスンにはいくつかのハードルがあります。中でも多くの人が悩むのは、手の形や指の使い方といった細かい体の動きが画面越しでは分かりにくいことです。また、そもそも鍵盤の位置や音符の読み方が分からず、つまずいてしまうこともあります。
こうした難しさを和らげるには、まず「最初から完璧に理解しようとしすぎない」ことが大切です。分からないところがあっても焦らず、一つひとつ講師に確認しながら進めるようにしましょう。オンラインでも質問しやすい雰囲気のある講師を選ぶと、安心して学べます。
さらに、レッスンの録画機能を使って自分の演奏を見返す習慣をつけると、理解が深まりやすくなります。画面共有やデジタル楽譜を使って、視覚的に学べる環境が整っているのも、オンラインならではの強みです。
また、初心者向けの教材や動画レッスンを併用することで、基礎を何度も確認できるのも効果的です。最初のうちは少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくると自分のペースで学びやすくなっていきます。
独学との違いとオンラインの利点
独学でピアノを始める方も多いですが、オンラインレッスンとの大きな違いは「正しい方向に導いてくれる人がいるかどうか」です。独学では、どこで間違えているのか、どうすれば改善できるのかを自分だけで判断する必要があります。そのため、独学が長く続くと、誤った癖がついてしまうこともあります。
一方、オンラインレッスンでは講師がリアルタイムで演奏を見てアドバイスをくれるため、無理のない方法で上達しやすいのが特徴です。初心者がつまずきやすいポイントを先回りしてサポートしてくれるので、スムーズに進められる場面も増えていきます。
また、スケジュールの柔軟さや自宅で受講できる手軽さは、独学と変わらないメリットです。さらに、講師とのやり取りによって練習にメリハリがつきやすく、モチベーションを維持しやすい点も見逃せません。
もちろん、独学にも自分のペースで進められるという良さはあります。ただし、ピアノの基本をしっかり身につけたいと考えている場合には、オンラインで講師の指導を受けながら学ぶスタイルがより効果的です。特に最初のうちは、サポートのある環境を選ぶことで、演奏そのものをより楽しめるようになります。
ピアノオンラインレッスンが難しいと感じたら
- 辞めたいと感じたときの対処法
- アプリとの併用で効果的に学ぶ方法
- 継続のコツとモチベーション維持策
辞めたいと感じたときの対処法
オンラインレッスンを続けていると、「もうやめようかな…」と感じる瞬間があるかもしれません。思うように上達しなかったり、日々の忙しさに押されて練習が後回しになったりすると、やる気を失いやすくなります。
そんなときは、まずピアノを始めた理由や、弾きたかった曲を思い出してみてください。目的がはっきりしてくると、自然と前向きな気持ちが戻ってくることもあります。また、「1日5分だけでも弾く」というように、練習のハードルを下げるのも効果的です。完璧を目指すより、少しずつでも続けることの方が大切です。
講師との相性が気になる場合は、遠慮せず相談してみましょう。自分に合ったスタイルを提案してくれることもありますし、場合によっては講師の変更も視野に入れてみると良いかもしれません。オンラインならではの柔軟さを活かせば、ストレスを感じにくい学び方に変えていけます。
加えて、練習がうまくいかない日は、無理に進めるのではなく、好きな曲を流すだけでも気分転換になります。ピアノを「義務」にしないことが、続けるコツにつながります。
アプリとの併用で効果的に学ぶ方法
オンラインレッスンとピアノ学習アプリを組み合わせることで、学習効果はさらに高められます。特に初心者にとっては、アプリで基礎を補えるのが大きなメリットです。
たとえば、譜読みの練習や、リズム感を養うトレーニングはアプリが得意とする分野です。オンラインレッスンでは表現や演奏全体のバランスについてのアドバイスを受け、アプリでは自分のペースで繰り返し練習すると、理解が定着しやすくなります。
また、アプリにはたくさんの曲が収録されていて、気分転換にもぴったりです。「今日は好きな曲をアプリで弾いてみる」といった活用の仕方も、飽きずに続ける工夫として効果的です。
ただし、アプリは便利な反面、姿勢やタッチなどの細かい部分までは指摘してくれません。オンラインレッスンで講師の指導を受けながら、アプリをあくまで補助的に使うとバランスが良くなります。
一人での練習時間が増える分、アプリの存在は強い味方になります。無理なく、そして楽しく学び続けるために、アプリとの併用はおすすめの方法です。
継続のコツとモチベーション維持策
ピアノのオンラインレッスンを長く続けるためには、無理のない習慣づくりが大切です。毎回のレッスンに向けて気負いすぎると、少しの挫折で気持ちが折れてしまうこともあります。そこでおすすめなのが「完璧を目指さないこと」です。
たとえば、1週間に1回のレッスンがある場合、その合間に10分だけでも鍵盤に触れる時間をつくることが効果的です。「今日は指慣らしだけ」「この小節だけ練習」といった小さな目標を設定すると、達成感が得やすくなり、やる気も保ちやすくなります。
さらに、上達の記録をつけてみるのも良い方法です。練習前後で自分の演奏を録音しておくと、過去との違いがはっきり見えて励みになります。自分の成長を実感できると、自然と「もう少し続けてみよう」という気持ちにつながります。
また、ピアノを「勉強」ではなく「楽しみ」にする視点も忘れたくありません。たまには好きな曲を自由に弾いてみる時間を取り入れると、気持ちがリフレッシュされ、モチベーションが回復することもあります。
講師と定期的に目標を共有するのも効果的です。自分の目指す方向性を言葉にすることで、練習にも明確な意味が生まれます。頑張りすぎず、でも気持ちを切らさない。そんなバランスを意識すると、無理なく継続することができます。
まとめ:ピアノオンラインレッスン難しいと感じても工夫次第で続けられる
いかがでしたか?ピアノオンラインレッスンが難しいと感じる理由と、それを乗り越えるための具体的な方法が見えてきましたね。それでは最後に本記事のポイントをまとめます。
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音質や通信の影響で指導の精度が下がることがある
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細かな表現やペダル操作は伝わりにくい傾向がある
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大人は生活との両立や技術面で不安を抱きやすい
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子供は集中力や飽きやすさが大きな課題になる
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電子ピアノのタッチや音色には限界がある
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機材や接続環境の工夫で音質の問題はある程度カバー可能
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録画機能の活用で振り返りや復習がしやすくなる
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コンクール対策では録画指導と対面併用が効果的
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アプリ併用で基礎練習や譜読みの補完ができる
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講師とのコミュニケーションが継続の鍵になる
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「辞めたい」と感じたときは無理をせず向き合うことが大切
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自分に合った時間配分で負担を減らすことが継続のコツ
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子供には保護者の伴走が効果的な支えとなる
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初心者は完璧を求めず、段階的に学ぶ意識が重要
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工夫と柔軟な姿勢があれば、オンラインでも十分に上達できる