クラシックピアノ界と医学界、二つの世界を志す双子のピアニスト「兄ーズ」。 メディアでその名を目にする機会が増え、二人の存在が気になっている方も多いのではないでしょうか。
現役で医学部に合格しながら、プロのピアニストとしても活躍する兄ーズのプロフィールはもちろん、どこの大学に通っているのか、合格までの道のり、そして活動の原動力となった難病の弟さんとの感動的な絆まで。
この記事では、そんな兄ーズの魅力と物語の核心に、深く迫っていきます。



こんな方におすすめ
- 話題のピアニスト「兄ーズ」ついて詳しく知りたい
- 音楽と勉強の両立を頑張る学生やそのご家族の方
- 心温まる家族の絆や兄弟愛の物語に触れたい方
- 兄ーズの演奏やコンサート情報が気になる方
兄ーズとは何者?双子の医大生ピアニスト【Wiki風プロフィール】
- 兄ーズ(山下順一朗さん・山下宗一郎さん)の基本情報
- ピアノを始めたきっかけと豊かな練習環境

「兄ーズ」の山下宗一郎さん(左)と順一朗さん(右):出典:小学館 HugKum
兄ーズ(山下順一朗さん・山下宗一郎さん)の基本情報
「兄ーズ」は、双子の兄弟である山下 順一朗(やました じゅんいちろう)さんと山下 宗一郎(やました そういちろう)さんによるピアノデュオです。
2025年7月20日に誕生日を迎え、現在19歳。プロのピアニストとして活動しながら、2025年3月にそろって大学の医学部に現役合格し、現在は「医大生ピアニスト」という二つの顔を持っています。
その人気は凄まじく、現時点でのYouTubeのチャンネル登録者数は1.42万人、Instagramのフォロワー数は11万人を超えるほど。多くの人々が兄ーズの活動に注目していることがわかりますね。
ユニット名の由来はとてもシンプルで、4人きょうだいの長男と次男、つまり二人の「兄」であることから「兄ーズ」と名付けられたそうです。
現在は、ピアノを高田有莉子氏に、フィンガートレーニングを山本光世氏に師事し、さらなる技術の向上に励まれています。
プロのピアニストと医大生という、まさに「二刀流」を地で行く兄ーズ。2人が医師というもう一つの道を目指す背景には、難病と闘う弟さんの存在があります。
その感動的な物語については、後ほど詳しくご紹介しますね。
参考サイト
ピアノを始めたきっかけと豊かな練習環境
兄ーズの音楽人生のスタートは、実はとても意外なものでした。
ご両親は音楽家ではなく、父親は会社員、母親も元会社員というごく普通の家庭だったそうです。
物語が動き出したのは、ある日、お父さんが秋葉原の楽器店で目に留まった電子ピアノに惹かれ、衝動的に買って帰ってきたことから。この偶然の出来事が、のちに世界を舞台に活躍するデュオの第一歩になりました。
その後、ご家族のサポートは驚くべきものでした。 二人は2歳で絶対音感のトレーニングを始め、4歳から本格的にクラシックピアノのレッスンを開始。
そして特筆すべきは、二人の練習環境です。最終的にはリビングに2台のグランドピアノが設置されるに至ったのです。
二人の才能を信じ、全力で応援するご家族の深い愛情が伝わってきます。 現在は、どんなに遅くなってもいいように、自宅の防音室で練習を続けているそうです。
兄ーズのピアノ演奏の魅力と輝かしい受賞歴
- 双子ならではの息の合った連弾ピアノのハーモニー
- 聴く人の心を癒す豊かな表現力と音色
- 数々の国際コンクールを制した確かな実力(受賞歴)
双子ならではの息の合った連弾ピアノのハーモニー
兄ーズの演奏の最大の魅力は、なんといっても連弾(ピアノデュオ)という形式で見せる、双子ならではの一体感です。
その演奏は「以心伝心」と評されるほどで、二人の息は驚くほどぴったり。 コンサートに訪れた観客は、その見事なシンクロと、二人が紡ぎだす美しいハーモニーに心を奪われます。
双子だからこそできる、特別な音楽的対話があるのかもしれませんね。
聴く人の心を癒す豊かな表現力と音色
技術的な正確さだけでなく、兄ーズのピアノには豊かな感情が込められています。
例えば、大学合格後のコンサートではその喜びを演奏で表現したり、MISIAさんの「アイノカタチ」のようなバラードでは、歌詞の世界観を大切に、気持ちを込めて演奏したり。
そして何より、兄ーズの音色は人の心を深く癒す力を持っています。 難病を抱える弟の一郎さんが、二人のピアノを聴いて表情を動かすこともあるのだとか。
特に、兄-ズの物語と深く結びつく「いのちの歌」の演奏は、多くの聴衆に感動を与え、二人の音楽が持つ特別な力を証明しています。
数々の国際コンクールを制した確かな実力(受賞歴)
兄ーズの実力は、その輝かしい受賞歴によって客観的に証明されています。
高校1年生の時には、大阪国際音楽コンクール連弾部門で優勝するという快挙を達成。
また、日本で最も権威あるコンクールの一つ、ピティナ・ピアノコンペティションでは、ソロでそれぞれが全国大会に出場したほか、連弾ではなんと8年連続で全国大会に出場し、銀賞・銅賞を含む多数の賞を受賞しています。

さらに、ショパンコンクール・インアジアではアジア大会ファイナリストに選出されるなど、その才能は国内外で高く評価されています。 数々の功績により、東京都教育委員会などからも表彰を受けており、まさに実力のあるピアニストといえます。
兄ーズの学歴と二刀流を支える練習法
- 出身校は進学校として知られる本郷高校
- 現役合格した医学部はどこの大学?
- 二刀流を支える時間管理術と日々の練習
出身校は進学校として知られる本郷高校
兄ーズの二人の学問的な土台が築かれたのは、中高一貫の私立男子校である本郷中学校・高等学校です。
この学校は医学部への高い進学実績で知られる進学校。中学受験を経てこの学校に進学したことからも、二人が早い段階から医師になるという明確な目標を持っていたことがうかがえます。
お父様は、高校受験に煩わされることなく6年間じっくりと物事に取り組める中高一貫校が、学業とピアノの両立に最適だと考え、進学を後押ししたそうです。
現役合格した医学部はどこの大学?
多くの人が気になっている「どこの大学の医学部に合格したのか?」という疑問。
2025年3月、二人はそろって医学部に現役で合格するという快挙を成し遂げました。 しかし、現時点では具体的な大学名は公表されていません。
インターネット上では様々な憶測が飛び交っていますが、いずれも公式な情報ではないため、この記事で大学名を特定することは控えます。
ただ、二人の母校である本郷中学校・高等学校の公式サイトに掲載されている大学合格実績を見ると、東京大学をはじめ、誰もが知る難関大学の名前がずらりと並んでいます。
この事実からも、二人が医学部合格という栄冠を掴み取ったことが、どれほど素晴らしいことかが分かりますね。
二刀流を支える時間管理術と日々の練習
「医学とピアノ、どうやって両立してるの?」と誰もが思うはず。その秘密は、徹底した計画性と、二人ならではの絆にあるようです。
二人は医学部に合格するため、「高校の間に5000時間勉強する」という具体的な目標を立て、それを忠実に実行したといいます。
一方で、ピアノの練習は「苦行」と表現するほど。それでも「家のことが全て終わった後、どんなに遅くなっても毎日最低1時間は防音室で練習する」というルールを自らに課しています。
この揺るぎない「続ける力」こそが、二刀流という偉業の土台なんです。
そして、忘れてはならないのが、双子であるという最大の強みではないでしょうか。地道で孤独になりがちなピアノの練習ですが、すぐ隣に同じ目標を持つ兄弟がいる。
辛い時には励まし合える存在がいるのも、兄ーズの二人の強靭な精神を支える大きな要因になっているのかもしれませんね。
兄ーズが医学部を目指す理由|難病の弟・一郎さんとの絆
- 活動の原動力は重い難病を抱える弟・一郎さんの存在
- 竹内まりやの名曲いのちの歌に込めた家族への想い
活動の原動力は重い難病を抱える弟・一郎さんの存在
兄ーズの二人の輝かしい「二刀流」の裏には、深く、そして感動的な物語があります。
その原動力となっているのが、兄ーズの2人が8歳の時に生まれた弟の一郎さんの存在です。 一郎さんは、「重症心身障がい児」として生まれ、100万人に一人とも言われるほどの稀な難病を抱えていました。 人工呼吸器が手放せず、24時間体制での医療的ケアを必要とされています。
「弟の病気を楽にしたい」という強い想いが、二人が医師を志す直接的な動機となりました。 中学生の頃からは、医師に教わりながら一郎さんにご飯をあげたり、薬を投与したりといった医療的ケアを直接行うようになったそうで、この経験が医師への想いをさらに強くしたと語っています。
相談せずとも同じ道を志した二人。弟を救いたいという想いが、どれほど根源的な願いであったかが伝わってきます。
竹内まりやの名曲いのちの歌に込めた家族への想い
「医療で体を直し、ピアノで心を癒す」。 この志は、兄ーズの活動に深く根付いています。
小学生の頃から病院や療育施設でボランティア演奏を続けてきた二人。 特に、竹内まりやさんの名曲「いのちの歌」の演奏は、二人の想いを象徴するものです。
あるライブで、「弟が生まれつき難病を抱えていて、僕たちがその弟を治してあげたいと思って医師を志すようになった。そんな僕たちにとてもぴったりな曲」と語り、この曲を演奏しました。
生命の尊さや人との繋がりを歌うこの曲は、まさに彼ら自身の人生、そして家族の物語と深く共鳴しているのですね。
「いのちの歌」の歌詞:
生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに
胸をよぎる 愛しい人々のあたたかさ
この星の片隅で めぐり会えた奇跡は
どんな宝石よりも たいせつな宝物
泣きたい日もある 絶望に嘆く日も
そんな時そばにいて 寄り添うあなたの影
二人で歌えば 懐かしくよみがえる
ふるさとの夕焼けの 優しいあのぬくもり
本当にだいじなものは 隠れて見えない
ささやかすぎる日々の中に かけがえない喜びがある
いつかは誰でも この星にさよならを
する時が来るけれど 命は継がれてゆく
生まれてきたこと 育ててもらえたこと
出会ったこと 笑ったこと
そのすべてにありがとう
この命にありがとう
作詞:Miyabi(竹内まりや)
作曲:村松崇継
編曲:村松崇継
発売日:2012年1月25日出典:Uta-Net
心に響く兄ーズの演奏動画たち
- 【密着】日本テレビ『news every.』特集動画
- 【ドイツの教会で演奏】いつも何度でも(千と千尋の神隠し)
- 【魂の連弾】いのちの歌(竹内まりや)
【密着】日本テレビ『news every.』特集動画
百聞は一見に如かず、兄ーズの二人の人柄や二刀流にかける想いをより深く知りたい方には、こちらの動画もおすすめです。
日本テレビ『news every.』で特集されたこの動画では、二人が語る言葉や、実際の練習風景、そして弟の一郎さんとの心温まる交流の様子が丁寧に描かれています。
ちなみに、動画の[00:04:36]あたりでは、ご自宅の防音室での練習風景が映し出されます。ピアノに詳しい方なら、そこにあるのが世界最高峰のピアノブランドの一つ、スタインウェイであることにお気づきになるかもしれません。
最高の音を追求し、音楽と真摯に向き合う二人の姿勢が、こうした練習環境からも垣間見えますね。
【ドイツの教会で演奏】いつも何度でも(千と千尋の神隠し)
まるで映画のワンシーンのような、息をのむほど美しい映像と音色です。
ドイツの歴史ある石造りの教会に、日本のジブリの名曲「いつも何度でも」が響き渡ります。 その最初の一音を聴いた瞬間から、心が洗われるような、自然と涙がこぼれそうになるほどの美しく、そして優しい演奏に引き込まれます。
「ああ、ピアノって、音楽ってなんて素晴らしいんだろう」 そう再確認させてくれる、まさに珠玉の演奏です。
日本の美しい文化を、音楽を通じて世界に発信してくれる兄ーズの二人は、本当に日本の宝物のような存在だと感じませんか?
【魂の連弾】いのちの歌(竹内まりや)
先ほども触れましたが、「いのちの歌」は兄ーズの2人の人生の物語そのものとも言える、特別な一曲です。
いのちの歌を知らない方でも、歌詞を知らない方でも、きっとその音色を聴けば胸が熱くなるはず。 兄ーズの演奏には、言葉を超えて心を揺さぶる力があります。
弟さんへの想い、家族への感謝、そして生命そのものの尊さ。 二人が背負うもの、そして届けたいと願うものすべてが、この一曲に込められているように感じられます。
兄ーズの活動情報をチェック(コンサート・書籍出版)
- 国内外でのコンサート・演奏会情報(チケット完売続出
- 話題の著書『夢を奏でる』の出版情報
- YouTubeやアルバムで聴ける人気のレパートリー
国内外でのコンサート・演奏会情報(チケット完売続出)
高校2年生でプロデビューを果たした兄ーズの二人は、国内外で精力的に演奏活動を行っています。
2023年にはドイツ、2024年にはアメリカのカーネギーホールで招聘演奏を行い、いずれもスタンディングオベーションを受ける大成功を収めました。
国内では、2025年8月にリサイタルツアー「Piano Magical Land」を開催。 奈良、大阪、札幌、東京の公演は追加公演も含めて即日完売が続出するほどの絶大な人気です。
また、弟の一郎さんのような境遇の子どもたちにも音楽を届けたいと、病院や施設でのボランティア演奏も積極的に行っています。2023年度にはソニー音楽財団子ども音楽基金の採択団体に選ばれ、約1,700人もの子どもたちと家族に生演奏を届けました。
話題の著書『夢を奏でる』の出版情報
兄ーズの二人の努力の軌跡と考え方を知る上で欠かせないのが、2025年7月1日にKADOKAWAから出版された初の著書『夢を奏でる ピアニストと医師の二刀流を目指す双子の物語』です。
この本には、ピアノを始めたきっかけから、国際コンクールでの優勝、そして医学部現役合格を果たすまでの道のりが詳細に綴られています。 二人の時間管理術や、子どもの夢を叶えるための親の役割など、受験生や子育て世代にも役立つ内容が満載で、大きな話題を呼びました。
発売を記念し、二人の誕生日でもある7月20日には出版記念トークコンサートも開催され、大盛況だったようです。
YouTubeやアルバムで聴ける人気のレパートリー
「コンサートにはなかなか行けない…」という方でも、兄ーズの二人の演奏に触れることができます。
まずは、公式YouTubeチャンネル「兄ーズ annies piano twins」。こちらでは、クラシックの名曲から最新のJ-POP、ジブリやディズニーの名曲まで、多彩なレパートリーの演奏動画が公開されています。
また、彼らのアルバム作品も要チェックです。CDとしてリリースされているデビューアルバム『ピアノ・ランド』と、デジタル配信が中心のミニアルバム『Little Piano Land』があり、それぞれ異なる形で手に入れることができます。
「いのちの歌」や「人生のメリーゴーランド」など、二人の想いが詰まった珠玉の演奏を、ぜひ楽しんでみてください。
まとめ:兄ーズは音楽と医学で人々を癒す新時代のアーティスト
「兄ーズ」の物語を紐解いていくと、これは単なる天才兄弟のサクセスストーリーではないことが、ひしひしと伝わってきますよね。
そこにあるのは、難病と闘う弟・一郎さんへのどこまでも深い愛情。それを一心に支える家族の絆。そして、「音楽と医学の両方で人々を癒したい」という、まっすぐで揺るぎない決意なんです。
超難関の医学部での学びと、プロのピアニストとしての活動。 言葉にするのは簡単ですが、この二つの道を同時に、しかもこれほどの高いレベルで突き進む二人の姿には、ただただ頭が下がる思いです。そのひたむきな努力と強靭な精神力に、心からの尊敬の念を抱かずにはいられません。
兄ーズの二人の姿は、私たちに「夢を追い続けることの素晴らしさ」や「人間の持つ無限の可能性」を、改めて教えてくれるのではないでしょうか。
これから二人が奏でる音楽は、医学の知識に裏打ちされ、さらに深みを増していくことでしょう。そして未来の医療現場では、音楽の力で人の心に寄り添える、新しい形の医師として輝くに違いありません。
二人が織りなす「癒し」の二重奏が、これからどんなハーモニーを世界に届けてくれるのか。 「兄ーズ」の旅路から、ますます目が離せそうにありませんね。
ポイント
- 兄ーズは19歳の双子の医大生ピアニスト山下順一朗と宗一郎のユニッ
- Instagramフォロワー11万人を超えるなど絶大な人気を誇る
- 難病を抱える弟・一郎を救いたいという想いから医師を志す
- 出身校は進学校として知られる本郷中学校・高等学校
- 2025年に医学部に現役合格したが具体的な大学名は非公表
- 大阪国際音楽コンクール優勝など国内外のコンクールで多数受賞
- カーネギーホールでの演奏経験などプロのピアニストとしても活躍
- 二刀流を支えているのは徹底した時間管理と日々の努
- 初の著書『夢を奏でる』では兄ーズの二人の努力の軌跡が綴られている
- 音楽と医学で人々を癒す新しい形のアーティストを目指している