2025年10月、ワルシャワで開催される第19回ショパン国際ピアノコンクール。この世界最高峰の舞台に、日本の若き才能、亀井聖矢さんが挑戦しました。
すでに数々の国際コンクールで輝かしい受賞歴を誇る亀井聖矢さんだけに、多くの音楽ファンがその結果に大きな期待を寄せていましたね。
しかし、その結果は「落選」という、多くの人にとって予想外のものでした。
この記事では、亀井聖矢さんのプロフィールやピアニストとしての魅力、デビューアルバムや多彩なレパートリーにも触れながら、今回のショパンコンクールの挑戦を深く掘り下げていきます。



こんな方におすすめ
- 亀井聖矢さんのショパンコンクール2025の結果が知りたい
- コンクールで落選した理由が気になる
- 亀井聖矢さんのプロフィールやピアニストとしての魅力に関心がある
亀井聖矢さんショパンコンクール2025の結果はどうだった?
- 【速報】2025年の結果は予備予選で落選
- なぜ?考えられる落選の理由を分析
- 予備予選の演奏動画
【速報】2025年の結果は予備予選で落選
結論からお伝えすると、亀井聖矢さんは2025年4月から5月にかけて行われた第19回ショパン国際ピアノコンクールの予備予選に参加しましたが、残念ながら通過には至りませんでした。
つまり、10月の本大会に進むことはできなかった、というのが今回の結果です。
ロン=ティボー国際音楽コンクールで第1位、エリザベート王妃国際音楽コンクールで第5位という、世界トップクラスの実績を持つ亀井聖矢さんだけに、この結果は多くの音楽ファンに衝撃を与えたことでしょう。
なぜ?考えられる落選の理由とネット上の声
世界トップクラスの実績を持つ亀井聖矢さんが、ショパン・コンクールの予備予選を通過できなかったという結果に、「なぜ?」と疑問に思った方は本当に多いと思います。
その理由を探るには、コンクールの特殊性を理解すると同時に、実際に彼の演奏がどのように聴こえたのか、その「生の声」に耳を傾けるのが一番かもしれませんね。
ここでは、海外のピアノフォーラムやSNSに寄せられたコメントを参考にしながら、考えられる理由を深く掘り下げていきましょう。
海外のピアノ愛好家から寄せられた「肯定的な声」
まず、彼の演奏には素晴らしい点がたくさんあったことを忘れてはいけません。
多くの聴衆が彼の才能に魅了されたのは事実です。
原文: "The etudes were super clean and spot on, and the mazurka went to many different places and was in general energetic and matched the flow of the piece."
日本語訳: 「エチュードは非常にクリーンで正確でしたし、マズルカは様々な場所に動き、全体的にエネルギッシュで曲の流れに合っていました。」
出所: Piano Forumユーザー「transitional」
原文: "Masaya’s performance began with charismatic flair"
日本語訳: 「亀井の演奏はカリスマ的な才能で始まりました」
出所: Redditユーザー「Acceptable_Thing7606」
原文: "His Mazurka was beautifully played, full of energy like a fast dance, and his trills were exquisitely delicate."
日本語訳: 「彼のマズルカは美しく演奏され、速いダンスのようにエネルギッシュで、トリルは絶妙に繊細でした。」
出所: Redditユーザー「Acceptable_Thing7606」
特に、技術的な正確さや、音楽が持つエネルギーを表現する力は高く評価されていました。演奏の随所に、聴き手の心を掴むきらめきがあったことが伝わってきますね。
一方で聞かれた「批判的・慎重な声」
一方で、ネット上には厳しい声も見受けられました。
原文: "But again, a kind of textbook scherzo."
日本語訳: 「しかし、またしても教科書通りのスケルツォという感じでした。」
出所: Piano Forumユーザー「transitional」
原文: "The rubato was too extreme and made everything a little lumpy, like the continually slowing down and speeding up meant there wasn't a steady pulse he was playing with."
日本語訳: 「ルバートが極端すぎて、全てがいくらかぎこちなくなっていました。絶えず減速と加速を繰り返すため、安定した拍子が感じられませんでした。」
出所: Redditユーザー「sh58」
原文: "As a mature artist, he opted to play Étude Op. 25 No. 11 more slowly than typical renditions, but it was ruined by several mistakes."
日本語訳: 「成熟したアーティストとして、彼はエチュードOp. 25 No. 11を通常の演奏よりもゆっくりと弾くことを選びましたが、いくつかの間違いによって台無しにされました。」
出所: Redditユーザー「Acceptable_Thing7606」
ご紹介したのはあくまでほんの一部のユーザーの声でしかありませんが、表現の独自性、音楽の自然な流れ、そして本番での安定性といった点で、審査員の心を完全に掴むまでには至らなかった可能性が見えてきます。
分析:考えられる3つの落選理由
これらの肯定的な声と批判的な声を総合すると、落選の理由は主に3つの側面に集約できそうです。
1. 解釈の方向性:「ショパンらしさ」との距離感
最も大きな要因は、ショパンという作曲家へのアプローチ、その「解釈」にあったのかもしれません。
ネット上の声では、彼の演奏が「教科書的」と評されたり、ルバート(テンポの揺らし方)が極端で「頑張りすぎている」ように聞こえる、といった厳しい指摘が見られました。
亀井さん自身が持つ素晴らしい技巧や音楽性を披露しようとするあまり、ショパンの音楽が持つ本来の自然な流れや、ポー-ランド特有の様式美とは少しずれてしまった、と受け取られた可能性を示しています。
実は亀井さん自身も、以前にショパンを弾くのが「苦手」だと語っていたことがあります。感情を込めすぎると「過剰になってしまう」と感じており、ご自身の音楽的な変革期を「ヴィルトゥオーソからショパニストへ」と表現していました。まさにその変革の途上で、このコンクールに挑んだということなのでしょう。
2. 本番での技術的な精度と安定性
予備予選では、ほんのわずかなミスが運命を分けることがあります。
彼の演奏は全体的に高い技術レベルにあると評価される一方で、本番では痛恨のミスが出てしまった、という指摘もありました。ある専門家は、ミスには「偶発的なもの」と「コントロールを失ったもの」があり、後者は特に厳しく評価されると述べています。
世界中が注目する舞台の極度の緊張の中で、こうした小さな綻びが生まれてしまったことも、結果に影響したと考えられます。
3. ステージ上での極度のプレッシャー
最後に、やはり精神的なプレッシャーは無視できません。
演奏からはカリスマ性が感じられると評される一方で、その情熱表現にどこか迷いが見える、といった趣旨のコメントもありました。これは、聴き手にどこか硬さのようなものが伝わってしまったのかもしれません。
審査員も「演奏不安や軽微なミス」が落選の一因になりうると語っており、これだけの実力者である亀井さんでさえ、ショパン・コンクールという特別な舞台の重圧と無縁ではいられなかった、ということではないでしょうか。
予備予選の演奏を動画で振り返る
嬉しいことに、亀井さんの演奏はショパン・コンクールの公式YouTubeチャンネルにアーカイブとして残っており、今でも誰でも無料で視聴できます。
亀井さんがこの日演奏した、ショパンの真髄を問うプログラムは以下の通りです。
- マズルカ 嬰ヘ短調 Op. 59-3
- エチュード イ短調 Op. 25-11 「木枯らし」
- エチュード イ短調 Op. 10-2
- ノクターン 嬰ハ短調 Op. 27-1
- スケルツォ 第4番 ホ長調 Op. 54
結果という数字だけでは測れない、彼が音楽に込めた情熱や緊張感がそこにはあります。
亀井さんが世界最高峰の舞台で見せた真摯な挑戦の記録を、ぜひご自身の目と耳で感じてみてください。
亀井聖矢さんのプロフィールと輝かしい受賞歴
- 4歳から始まる輝かしい経歴
- 国内外の主要コンクールを制した受賞歴
- 両親(父・母)はどんな人?お父様の死について
4歳から始まる輝かしい経歴
ショパン・コンクールでの一幕は、彼のキャリアのほんの一部分にすぎません。 亀井聖矢さんのプロフィールは、まさに「天才」と呼ぶにふさわしいものです。
2001年に愛知県で生まれ、ピアノを始めたのは4歳の時でした。 愛知県立明和高等学校の音楽科を経て、桐朋学園大学にはなんと「飛び入学特待生」として入学し、2023年に首席で卒業しています。
現在はさらに高みを目指し、ドイツのカールスルーエ音楽大学と桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースに在籍して研鑽を積んでいます。 まさに、ピアノのエリート街道を歩んできたのですね。
国内外の主要コンクールを制した受賞歴
彼の受賞歴は、その才能を雄弁に物語っています。
国内では、大学1年生だった2019年に、第88回日本音楽コンクールで第1位、さらに第43回ピティナ・ピアノコンペティション特級でグランプリと、日本の二大コンクールを完全制覇。 しかも両方で聴衆賞も受賞するという快挙を成し遂げました。
国際舞台での活躍はさらに目覚ましく、2022年のロン=ティボー国際音楽コンクールでの第1位は、世界にその名を知らしめました。 さらに2025年には、世界三大コンクールの一つ、エリザベート王妃国際音楽コンクールで第5位に入賞。
今回のショパン・コンクールの結果だけで彼の価値を判断するのは、あまりにも早計であることが、この輝かしい受賞歴からもお分かりいただけるのではないでしょうか。
両親(父・母)はどんな人?お父様の死について
これだけの才能を支えてきたご家族、特にご両親(父・母)はどんな方々なのか、気になりますよね。
詳細な個人情報は公開されていませんが、ピアノを始めるきっかけを与えてくれたのはお母様だそうです。一方、お父様は音楽家ではなく、当初は息子さんの将来を思い、安定した普通科への進学を勧めたこともあったそうです。
しかし、亀井さんが強い意志で音楽の道を選んでからは、その一番の理解者となり、誰よりも熱心に応援してくれる、かけがえのない存在となりました。
そんなお父様は、2024年2月に46歳という若さで、あまりにも突然にこの世を去られました。亀井さんは四十九日を迎えた4月14日、ご自身のXで、お父様への想いをこのように綴っています。
私事ですが、2月26日に父が他界しました。
46歳、本当に突然のことでした。まったく受け入れられず、それでも日常に戻らなければならず、長男としてなるべく気丈に過ごしてきました。
そして今日、四十九日を迎えました。
生前いつも僕のステージを観て、成長を一番に喜んでくれていました。…
— 亀井聖矢 Masaya Kamei (@masayakamei_pf) April 14, 2024
「生前いつも僕のステージを観て、成長を一番に喜んでくれていました」という言葉から、お父様がどれほど深い愛情をもって亀井さんの活躍を見守っていたかが痛いほど伝わってきますね。
投稿には「本当に突然のことでした」とあり、具体的な死因については公表されていません。
天国のお父様の応援を胸に、亀井聖矢さんはこれからも素晴らしい演奏を世界に届けてくれることでしょう。
亀井聖矢さんのピアニストとしての魅力
- デビューアルバム「VIRTUOZO」に詰まった魅力
- ショパンだけじゃない!多彩なレパートリー
- 人々を惹きつける音楽性の秘密
デビューアルバム「VIRTUOZO」に詰まった魅力
亀井聖矢さんの魅力を語る上で欠かせないのが、超絶技巧を軽々と弾きこなす「ヴィルトゥオーソ(名人)」としての一面です。
その象徴ともいえるのが、2022年にリリースされたデビューアルバム『VIRTUOZO』です。 このタイトルは、レコーディング時の年齢「20」をイタリア語の「ZO」に見立てた、遊び心のあるものなんですよ。
収録されているのは、「ラ・カンパネラ」や「マゼッパ」、そしてラヴェルの「夜のガスパール」やバラキレフの「イスラメイ」といった、ピアノ史上屈指の難曲ばかり。 彼はインタビューで「難しい曲を弾いているな、と思ってほしくはない」と語っています。
なぜ作曲家がその音符を必要としたのか、その表現を追求する。 彼のテクニックは、単なる指の速さではなく、知的な探求に裏打ちされているのです。
ショパンだけじゃない!多彩なレパートリー
ショパン・コンクールに挑戦したことから、ショパン専門のピアニストというイメージがあるかもしれませんが、彼のレパートリーは驚くほど多彩です。
もちろんショパンへの思い入れは深く、複数年にわたるオール・ショパン・プログラムのシリーズを開催するなど、深く探求を続けています。
しかし、2024年のリサイタルツアーではバッハ、ショパン、プロコフィエフを並べるなど、古典から現代まで、意欲的なプログラムに挑戦し続けているんです。 将来的にはフランスやロシアの作品にも広げ、さらには作曲も手掛けたいと語っており、彼の音楽の旅はまだまだ始まったばかりだと言えるでしょう。
人々を惹きつける音楽性の秘密
亀井聖矢さんの演奏の最大の魅力は、なんといっても聴く人の心を深く揺さぶり、時に涙を誘うほどの感動的な力を持つ「音」そのものです。
なぜ彼のピアノは、これほどまでに私たちの心を打つのでしょうか。
彼は、自分の演奏を客観的に分析する「メタ的な視点」を常に意識していると語ります。 非常に知的で、冷静な自己分析ができるのですね。
それに加え、指だけでなく手首や腕の使い方を深く研究した「スカラムッツァ派」のテクニックが、その音の響きの豊かさを生み出しています。 そして彼の芸術の核には、「音楽は感情を具現化したもの。だからこそ嘘をつけない」という、音楽に対する誠実な信念があります。
知的なアプローチと、感情的な誠実さ。 この二つが合わさった時、誰もが惹きつけられる「亀井サウンド」が生まれるのです。
まとめ:ショパンコンクールの結果を超えて
今回は、亀井聖矢さんのショパン・コンクール2025への挑戦と、その結果について深く掘り下げてきました。
予備予選での落選という結果は、彼自身にとっても、応援していたファンにとっても、悔しいものだったかもしれません。
しかし、彼の輝かしい受賞歴や、デビューアルバムで見せた圧倒的な技巧、そして進化し続けるレパートリーと音楽への真摯な姿勢を見れば、今回の結果が亀井さんの音楽家としての価値を何ら損なうものではないことは明らかです。
ワルシャワでの経験は、若き芸術家がさらに大きく飛躍するための貴重な一里塚となるはずです。
コンクールを終えたご自身のInstagramでは、次のように力強いメッセージを発信されています。
この投稿をInstagramで見る
この投稿からも、彼の音楽に対する真摯な姿勢と、未来へ向かう強い意志が伝わってきますね。
これからも亀井聖矢さんの音楽の旅を、私たちも一緒に応援していきましょう。
本記事のまとめ
- 亀井聖矢さんは2025年ショパンコンクールで予備予選敗退となった
- 落選の背景には極度の緊張やコンクール特有の性質が考えられる
- コンクールの演奏は公式YouTubeチャンネルの動画で視聴可能
- 亀井聖矢さんは桐朋学園大学を首席で卒業したエリートである
- ロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝するなど受賞歴は極めて輝かしい
- デビューアルバムはVIRTUOZOで超絶技巧が満載されている
- レパートリーはショパンに留まらずバッハや現代曲にも及ぶ
- 彼の魅力は知的な分析力と音楽への誠実さから生まれる
- ショパンコンクールの経験は今後の成長の糧となるだろう